柑橘系などの果物を食べた後、歯みがきをしていると、キーンとしみる事があるんですよね。
はっさくのようなミカン類や、レモン、グレープフルーツといった柑橘系だけではなく、ぶどう、りんご、パイナップル、フルーツジュースでもなったりします。
歯をみがくたびに、しみたり痛かったりする原因って何なんでしょうか?
また、対策や治療はどのようなものなんでしょうか?
ここでは、そんな情報についてまとめています。
柑橘系の果物を食べた後に歯がしみる! 原因は何?
歯みがきするたびに、キーンと、歯医者でドリルを当てられているような嫌な痛みが……。
歯ブラシで歯をこするのは辛いけど、歯を磨かないわけにはいかないから、痛みを我慢しつつ歯みがきしますけど、どうしてこんなことになってしまうのでしょう?
はっさくとか、ぶどう、パイナップルのような、酸っぱい果物を食べた後に特になりやすいですが、これは知覚過敏です。
歯は、歯ぐきの上に露出している部分がエナメル質、歯ぐきの下に埋まっている部分が象牙質という物でできています。
このエナメル質と象牙質の境目の、歯の根っこの部分に果物の汁が残って、その酸によって歯の表面が溶けてしまうことで、歯みがきのたびにしみるようになってしまうのです。
ですから、歯を磨いているときも、歯の上部分を磨いている時には何ともないけど、歯の側面を磨いている時に痛かったり、しみたりしませんか?
それは、歯の根元が果物の酸でやられているからなんですね。
そういった、酸味の強いみかんなどの果物を食べた後、きちんと歯を磨かないままにしてしまうと、歯が侵食されて、しみたり痛くなったりするようになります。
歯ならちゃんと磨いてるよっていう人は、間違った歯みがきの仕方で、歯の根元が摩耗してしまっているのかも。
歯の根元近くの部分に段差ができていたりしませんか?
爪の先で、しみる歯の根元から先の方にかけてを撫でてみて下さい。
根元付近に、爪が引っかかるような段差ができていたら要注意。
これを『くさび状欠損』と言います。
本来の歯にはそのような段差はなく、根元から先にかけてがツルッとしているものなのです。
歯の表面のエナメル質は傷んだり、しみたりはしないのですが、エナメル質の内部や、歯の根っこ部分の象牙質は、そういった刺激を歯の神経に伝えます。
なので、歯が摩耗してしまうと、果物の酸による侵食で痛くなったり、しみたりといったことが起こりやすくなるんです。
そんな歯の段差ができてしまう原因の一つが、間違った歯みがき方法。
力を入れすぎてガシガシこすると、歯の根元が削れていって摩耗してしまい、知覚過敏の原因になることがあります。
単なる知覚過敏だと思っていると、このくさび状欠損を見逃すことになりますから注意して下さい。
歯は磨いているのに、柑橘系などの果物を食べるたびに、歯みがきの時に歯がしみるという方は、自分の歯をよくチェックしましょう。
ひどくなると、その名の通り、根元にくさびを打ち込んだように歯が削れていって、歯が折れてしまうこともあります。
歯がしみる場合の対策は?
柑橘系などの果物を食べるたびに歯がしみるようになる場合でも、軽度でしたら3日~4日で痛みはなくなります。
はっさくとか、ぶどうとか、パイナップルなどのフルーツを食べた後は、歯みがきのたびにしみて痛いけど、数日すると、特に対策などはしなくてもなんともなくなるという経験をしている方も多いでしょう。
歯がしみて痛い期間は、歯の側面を磨く時に、歯ブラシを横に動かさず、縦に動かすようにするといいですよ。
歯の根元をブラシで横にこすった時に、特に痛みますから。
もちろん、力を入れてこすってはいけません。
口をすすぐときも、冷たい水を避けて、ぬるま湯を使うようにしましょう。
また、食後すぐの歯みがきはよくありません。
食事直後は酸によって歯の表面が柔らかくなっているので、すぐにみがくと歯が摩耗しやすいのです。
食後30分くらいは時間を置くようにしましょう。
こうした対策で、果物の酸による軽い知覚過敏は収まりますが、しみて痛いのがいつまでも治らないという場合には、歯科医師の診察を受けたほうがいいですね。
特に、くさび状欠損が気になるようでしたら、そのまま放置はしないでください。
歯がしみるときの治療は?
単なる知覚過敏でしたら、歯医者さんに知覚過敏を軽減する薬があります。
それを塗るだけで痛くなったり、しみたりが収まりますから、症状がいつまでも続くようでしたら、我慢せずになるべく早く診てもらったほうがいいですね。
くさび状欠損の場合ですと、軽度のものなら、虫歯を埋めるのと同じような方法で、象牙質の露出部分をカバーするだけの簡単な治療で済みます。
歯が折れそうなほどになっている末期の状態ですと、歯の神経を抜いて、歯にセラミックや金属の被せ物をするという、ちょっと大変な治療になりますね。
くさび状欠損の場合、無理な力がかかった歯のみがき方だけではなく、歯のかみ合わせも原因と考えられています。
悪いかみ合わせによって生じた無理な力が歯の根元に蓄積され、それによって『マイクロクラッシュ』という微細なヒビ割れが歯の根元部分に起こるのです。
このマイクロクラッシュは、唾液によって修復されるのですが、ダメージのほうが上回ると、徐々に歯はすり減っていってしまいます。
歯のかみ合わせが原因と考えられる場合は、かみ合わせを修正する治療も行われます。
まとめ
みかん、レモン、グレープフルーツ、パイナップルなどの果物を食べた後に、歯みがきのたびしみて痛いのは、知覚過敏です。
柑橘系のフルーツの汁が歯の根元部分に残って、その酸によって歯の表面が溶けることが原因で起こります。
軽度のものなら3~4日程度で自然に収まります。
歯がしみる間は、歯みがきの時に、歯ブラシを横に動かすようにして、水ではなく、ぬるま湯で口をすすぐ対策をとるといいですよ。
しかし、『くさび状欠損』という歯のトラブルが原因の場合もあります。
無理な力をかけた歯みがきや、歯のかみ合わせが原因によって起こる、歯の根元部分の摩耗です。
歯の根元から先にかけてを爪の先でなぞってみて、段差ができていたら要注意。
単なる知覚過敏の場合も、くさび状欠損が心配な場合も、歯がしみたり痛かったりがひどいようなら、歯科医師の診察・治療を受けましょう。